【ファミリーインタビューvol.2】仕事も子育てもあきらめない。新潟だからできた!「理想のワークライフバランス」の実現

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【ファミリーインタビューvol.2】仕事も子育てもあきらめない。新潟だからできた!「理想のワークライフバランス」の実現

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2025.10.31
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内容



「バリキャリ」という言葉がぴったりな、華々しいキャリアを東京で築き、結婚・出産を機に新潟へUターンした鈴木さん。東京の企業でのリモートワークと茶道講師という「二刀流」で活躍する彼女が、どのようにして仕事と子育てを両立させているのか。日帰り温泉が定番のお出かけ先になるほど、自然に恵まれた新潟でのびのびと子育てをしながら、自分らしい働き方をされている鈴木さんのリアルな声を聞きました。
 

プロフィール:鈴木 理沙(すずき りさ)さん

新潟市秋葉区出身、夫と小学生の息子、愛猫の雪松(ゆきまつ)との3人と1匹暮らし。
2017年新潟にUターンし、現在は東京の会社に在籍し正社員フルリモート勤務で働きながら週末は茶道講師を努める。家族の大好きなおでかけ先は日帰り温泉。


 

東京での成功と、転機となった東日本大震災

大学進学を機に上京し、新卒で大手アパレル企業に入社し、15年間海外出店業務に従事。その後、外資系不動産コンサルティング会社で日本企業の海外展開をサポートするなど、華々しいキャリアを築いた鈴木さん。しかし、2011年の東日本大震災が転機となりました。

夫東京で一人暮らしをしていた鈴木さんは、震災の恐怖を体験したことで「なぜ一人で東京にいるのか」という根本的な疑問を抱くようになったそう。仕事にやり尽くした感もあり、漠然と東京での生活に終止符を打つことを考え始めました。そんな時、偶然再会した小学校からの同級生の現在の夫と結婚、そして子どもを授かったことで、「前向きな気持ちで新潟へのUターンを決意した」と言います。当日のお話からお聞きしてみました。


 

帰郷後の苦労と、学び直しという選択

故郷へのUターンは、期待とは裏腹に想像以上に大変な道のりでした。20年間新潟を離れていたため、気軽に話せる友人がおらず、帰郷後すぐに出産・子育てがスタート。さらに、大雪が重なり外出もままならず「気持ちの重く暗い日々が続いた」と言います。

仕事探しでも困難に直面しました。海外事業の経験を活かせる仕事が少なかったり、何より正社員での時短勤務という選択肢がほとんどなかったことに壁を感じました。

さらに、「女性にとって出産は喜ばしいことのはずなのに、社会ではハンディキャップのように扱われる状況が本当に辛かった」と彼女は振り返ります。

しかし、納得のいく仕事が見つからない中で、彼女は自分に足りないものを考え、「学び直し」を決意します。2023年、以前から興味があったサステナビリティ分野で、環境学のMBA(経営学修士)を取得。この学びが、その後のキャリアと、鈴木さんなりの子育てと仕事のワークライフバランスを切り開く大きなきっかけとなりました。


(テレワーク中の鈴木さんと息子さん)
 

テレワークで実現した、仕事と家庭の両立

その後学びを活かし、環境事業を展開する東京の会社に転職。この会社は、社員のほとんどがフルリモートワークという働き方を採用しており、鈴木さんも新潟の自宅からフルリモート正社員として働いています。
「東京駅徒歩圏内にオフィスはありますが、基本的にどこからでも自由に働けます。タイムカードはあるものの、子どものお迎えで抜けることも自由で、完全に成果重視の働き方です」。この柔軟な働き方のおかげで、彼女は仕事と子育てを無理なく両立できるようになったと言います。

「夫が夕方17時頃には帰宅できるのも、本当にありがたいです。夫が子どもと過ごしている間に、私も仕事や副業である茶道講師の活動に集中できます。お互いの時間や仕事を尊重し、協力しあえる関係が築けているのは、この働き方ができるからこそだと思います。」


 

精神的なリセットの場「茶道講師」という副業

本業であるテレワークの他に、彼女がもう一つ大切にしているのが「茶道講師」という顔です。小学校から高校まで祖母の教えで茶道を習っており、表千家地方講師の資格は高校生の時に取得。東京にいる間は茶道からも離れていましたが、Uターンをきっかけに母に師事し再度茶道の道へと進みました。子育てと仕事の忙しい日々の中、週末を中心に実家にある茶室で過ごす時間は、彼女にとって精神的なリセットの場になっていました。

「忙しい人ほど、こうした時間が大切だと実感したんです」。

茶道に対して「敷居が高い」「厳しそう」といったイメージを持つ人は少なくありません。しかし、鈴木さんは「茶道を通して、心にゆとりを持つ時間や自分と向き合う時間の大切さを伝えたい」と、その間口を広げるために教室の開催をはじめ、得意な英語を活かした外国人向けの茶会の開催、SNSでの発信なども積極的に行っています。

「仕事、子育て、そして茶道。どれも私にとっては欠かせない大切な時間です。この三つのバランスが取れているからこそ、毎日が充実していますし、それぞれの活動が相乗効果を生んでいると感じています。子育て中だからといって、自分のやりたいことを我慢するべきではないと、この経験から確信しましたし、夫もそれを尊重してくれます。」


 

新潟での子育ての優位性

新潟で子育てをすることで、仕事との両立以外にも多くのメリットを感じている、と言います。


 

自然の中で、のびのびと子育てができる

「コロナ禍の時は特に新潟で生活していて良かったと実感しました」と彼女は話します。東京では子どもが外出を制限される状況だったが、新潟なら特に屋外では人も密集することなく、自由に遊ばせることができた、とのこと。
また、子どもが日帰り温泉を大好きになったというエピソードも。「県内の日帰り温泉をほぼ制覇するほど、家族で自然を満喫しています。」
 

夫も家事・育児に参加しやすい環境

「夫は自営業の家業で仕事しており朝は早いですが帰りはそれほど遅くないので、子育てはもちろん仕事や茶道の活動を全面的にサポートしてくれます」。そのため、仕事に集中できる時間が確保でき、キャリアをあきらめることなく働き続けられています。また互いのご実家が近いことでご両親などからの育児への協力を得られていることもとてもありがたい環境、と言います。
 

地域とのつながり

「以前は地元に友人がいなくて大変でしたが、茶道の活動や子育てを通じて、少しずつ地域に溶け込むことができました。改めて今感じるのは、新潟の人は最初は人見知りに見えますが実はとても情熱的で個性的な方が多いということ。新潟での暮らしを通じてそんな方々との出会いが多いのもとても楽しく感じます」。


 

「理想のバランス」は、新潟で実現できた

独身時代は仕事が人生の大部分を占めていたけれど、今は家庭、仕事、副業(茶道)のどれか一つに偏りすぎないよう、全てのバランスを取ることを心がけています。
「このバランス感覚は、東京では実現できなかったことだと思います。新潟にUターンしたからこそ得られた、理想の働き方と生活です」。

キャリアも、子育ても、そして個人の夢も諦めたくない。そんな現代の女性が、新潟という場所で自分らしく輝ける可能性を、鈴木さんの生き方が教えてくれます。