【企業インタビューvol.1】社員の声がカタチになる会社 新潟で実現する理想のワークライフバランス

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【企業インタビューvol.1】社員の声がカタチになる会社 新潟で実現する理想のワークライフバランス

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2025.11.07
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内容

「こんな制度があったらいいな」
社員一人ひとりの声に耳を傾け、働きやすい環境を共に創り上げてきたグローカルマーケティング株式会社。今回は、同社で子育てをしながら働き、社内の「衛生委員」として活躍する反町さん、星名さんの2人の社員に、会社のユニークな制度や、仕事と家庭を両立するリアルな働き方について伺いました。
 

プロフィール

グローカルマーケティング株式会社(本社:長岡市)

衛生委員会:事業場で働く従業員の心身の健康を守り、快適な職場環境を維持するために、事業者と従業員が協力して労働災害の防止や健康保持増進について検討する部署。

反町さん

経営サポート課の課長として、労務を中心に総務全般を担う。 3人のお子さんを育てるお母さんでもある。

星名さん

新潟県の子育て支援事業「トキっ子くらぶ」の企画・広報を担当。 育児休業からの復職経験を持つ。
 

「ちょっと抜けたい」を叶える、社員目線の柔軟な働き方



グローカルマーケティング株式会社には、子育て中の社員を支える様々な制度があります。中でも、反町さんと星名さんが特に活用していると話すのが「プチフレックス制度」。これは、子どもの急な体調不良や学校行事などの際に、1〜2時間単位で仕事を抜けることができる制度です。

「子どもって、いつ熱を出すか分からないですよね。それに、授業参観などで『ちょっとだけ抜けたい』という時にも、この制度があると半休を取る必要がなく、とても助かります」と反町さん。 仕事と子育て、どちらの時間も大切にしたいという想いに応えるこの制度は、社員の満足度向上にも繋がっているようです。

また、星名さんはテレワークや勤務時間のシフトも活用しています。

「夕方は子どもの世話で残業が難しいので、その分を通常始業時間の9時より前に振り替えて仕事をすることがあります」 もともと、夜の残業は事後報告で認められる一方、早朝勤務は事前申請が必要という運用の違いがありました。この不公平感に対し「同じ1時間なら朝でも認めてほしい」という星名さんの声がきっかけとなり、より柔軟に利用できる制度へと改善されました。
 

「不便」や「願い」が、新しい制度を生み出すきっかけに



グローカルマーケティング株式会社の働きやすい環境は、こうした社員一人ひとりの「あったらいいな」という声から生まれてきました。実は、先述の「プチフレックス制度」も、星名さんの一つの相談がきっかけで誕生したものです。

「小学校のプールの監視ボランティアに参加したかったのですが、時間は1時間だけ。そのために半休を取るのはもったいないと感じて『1〜2時間だけ抜けられる仕組みは作れませんか?』と相談したのが始まりでした」

年に一度、好きな記念日に休暇が取れる「記念日休暇」も「自分の誕生日に休みを取ることに、なんとなく気兼ねしてしまう」という気持ちに寄り添い、プライベートを充実させてほしいという想いから生まれました。導入当初は「絶対にその日に休むこと」という強いルールがありましたが、顧客対応などを考慮して現在は柔軟な運用になっています。このユニークな制度に魅力を感じて入社を決めた社員もいるほど、会社のカルチャーを象徴する取り組みとなっています。
 

育休取得のバトンをつなぐ、パパ社員たちの連携プレー



社員の声が制度になる文化は、男性の育児参加も後押ししています。同社では、2023年にベビーラッシュがあり、3名の男性社員が育児休業を取得しました。この背景には、当事者と会社側の見事な連携がありました。

最初の男性社員が育休取得を申し出た際、労務担当の反町さんはすぐに最新の国の制度を調査。「育休が2回に分けて取れるようになっている」といった情報を伝え、より最適な育休プランを立てられるようサポートしました。

すると、その社員は自身で調べた育児休業の「お得な取得時期」などのノウハウを、後に続くパパ社員たちに共有。同じ部署のメンバー同士で取得時期が重ならないよう自発的に調整するなど、チーム全体で支え合う「育休取得のバトン」が自然と生まれていきました。
 

「子育てのリアル」が、次の世代の背中を押す



新こうした支援体制や文化は、現在子育て中でない社員にも良い影響を与えています。インタビューに同席した若手社員の一人はこう話します。「仕事と子育てを両立している先輩たちの姿を見ていると、大変そうだなと思う半面、楽しそうだなとも感じます。正直、他の会社で働きながら子育てをする自分の姿は想像できませんが、この会社ならできるのかな、と思えます」

実際に、社内の雰囲気がきっかけでライフプランを描くようになった社員もいます。結婚や出産を経て楽しそうに働く先輩たちの姿を見るうちに心境が変化し、自身の結婚を決めたというエピソードもありました。
 

ライフステージの変化に寄り添う、新たな挑戦



そして2025年秋、新たに「短時間正社員制度」が導入されました。 これは、フルタイムで働くことが難しい社員も、パートタイマーではなく正社員として働き続けられるようにするための制度です。発案者である労務担当の反町さんは、その背景をこう語ります。

「同じ仕事をしていても、働く時間が短いとパート、長いと正社員という区分に疑問を感じていました。 子育てはもちろん、介護や自身の病気、副業との両立など、様々な事情を抱える社員が、働き方の選択肢を狭めることなく活躍できる環境を作りたかったんです」

社員の声から生まれたこれらの制度は、まさに同社の財産。しかし、制度を作るだけで終わりではない、と反町さんは続けます。「作った制度を皆が使えるように、分かりやすく伝え、浸透させていくことが一番難しく、そして重要だと感じています」
 

制度を支える側の想いと、浸透への工夫



「制度が増えれば、正直、労務の仕事は大変になります」と反町さん。それでも前向きに取り組める原動力は「社員の笑顔のため」というシンプルな想い。
「皆が笑顔で働ける会社は、離職率も低くなります。長い目で見れば、それが結果的に自分たちの働きやすさにも繋がっていくんです」 制度を浸透させるため、会議で伝えるだけでなく、時には社内に貼り紙をするなど、地道な工夫を続けています。
 

仕事と子育ての両立は、決して簡単なことではありません。しかし「仕事の代わりはいても、親の代わりはいない。だからこそ、何かあった時にはお互いに配慮できる会社風土をつくりたい」と星名さんは語ります。 社員一人ひとりの人生に寄り添い、その声を大切にする企業文化こそが、誰もが自分らしく輝ける職場環境を育んでいるのです。