【ファミリーインタビューvol.8】新潟で叶えた『自分でデザインする』暮らしと働き方

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【ファミリーインタビューvol.8】新潟で叶えた『自分でデザインする』暮らしと働き方

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2026.01.16
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内容

2020年4月、コロナ禍の始まりとともに東京から故郷の新潟へUターンし、IT企業「株式会社Pepo」を立ち上げた木村愛子さん。現在は2児の母として子育てに奮闘しながら、経営者として、育児などのライフイベントと両立しながら働くメンバーを中心としたチームを率いています。東京でのキャリアを経てたどり着いた、新潟だからこそ実現できた「自分で選び取る」ライフスタイルと、柔軟な組織づくりについてお話を伺いました。


 

プロフィール:木村 愛子(きむら あいこ) さん

新潟市出身。大学進学を機に上京し、2006年に新卒で一般企業に入社。営業職や事務職を経験した後、エンジニアへ転身。その後、東京のIT企業にて約10年間、データベースソフトを用いたシステム開発に従事。2回の産休・育休を経て、2019年に独立。2020年4月に家族で新潟へUターンし、株式会社Pepoを設立。現在は同社代表取締役として、中小企業向けの業務システム開発や業務効率化支援を行う。プライベートでは中学生と小学生の2児の母。
 

キャリアの転機とUターンの決断

木村さんが新潟へのUターンと起業を決意した背景には、東京での仕事と子育てに対する漠然とした閉塞感がありました。新卒で入社した会社を経て、ベンチャー企業でエンジニアとして働いていた木村さん。仕事に情熱を注いでいましたが、会社の急速な事業拡大と組織の巨大化に伴い、自身の働き方とのミスマッチを感じ始めました。



「会社が大きくなるにつれて、役割や評価が職種ごとに整理されるようになりました。でも私は、役職や職種に縛られず、現場でお客様と関わったり、組織づくりに広く関わる働き方が好きだったんです」

時を同じくして、東京での子育てにも限界を感じていました。短時間勤務やリモートワークといった制度を自ら設計し、仕事と育児の両立を続けてきました。

それでも、SNSで目にする周囲の情報や、子どもの将来、住環境への不安が重なり、暮らしそのものを見直す必要性を感じるようになりました。

そんな中、ご主人の転職やご自身の独立のタイミングが重なり、2020年4月、お子さんの進級や生活環境の変化に合わせて新潟への移住を決断。東京出身のご主人も、建設業からIT営業へとキャリアチェンジし、家族揃っての新生活がスタートしました。
 

経験から生まれた、共感を大切にするチームづくり

新潟に戻り、株式会社Pepoを本格始動させた木村さん。当初は前職からの仕事を引き継ぎながら、新潟での顧客開拓を進めていきました。その過程で、これまでの経験を生かした組織づくりを意識するようになります。



「前職では、都内のマザーズハローワークを活用し、子育て中の方が働きやすい環境づくりに取り組んできました。私自身が母親で、仕事と育児の両立の難しさを実感していたからです」

現在は育児中の方を積極的に採用しているわけではありませんが、起業の経緯や働き方に共感した人たちが集まり、結果として多様な背景を持つメンバーで構成されています。役員を含め6名の組織で、それぞれの専門性を生かしながら協力し合っています。

立場や状況が違っても、互いの事情を尊重し合える。そんな共感をベースにしたチームワークが、株式会社Pepoの大きな強みとなっています。



また、同社が提供する業務システム開発においても、この視点が活かされています。「システムなんて入れたことがない」という県内の中小企業に対し、女性ならではのきめ細やかなヒアリングと、実際の業務フローに寄り添った提案が好評を得ています。「難しい専門用語ではなく、お客様の困りごとに耳を傾ける姿勢」が、多くの顧客からの信頼に繋がっています。
 

裁量と責任、そして互助の精神

株式会社Pepoの働き方は非常に柔軟です。朝9時半の朝礼こそありますが、働く場所は自宅でもオフィスでも自由。残業も基本的にはありません。しかし、それは単なる「ゆるさ」ではありません。



「裁量があるということは、代わりに責任があるということ。自分で考え、自分でコントロールして働く。その方が、みんなのびのびと力を発揮できるんです」

木村さんはそう語ります。実際に、お子さんの寝かしつけが終わった夜の時間に、木村さんが社員のフォローに回ることもあれば、社員同士で自然と助け合う場面も多々あります。「誰かが休む時はお互い様」という精神が根付いているため、過度な管理をしなくても業務が円滑に回っているのです。

現在、社員の皆さんは新潟市西区周辺に住んでおり、オフィスと自宅、そして子どもの学校が近い「職住近接」の環境も、無理なく働ける要因の一つになっています。
 

「不安に追われる暮らし」から「 工夫してデザインする暮らし」へ

新潟での暮らしは、東京時代とは大きく変化しました。休日は家族でイオンへ買い物に行ったり、映画を見たり、海沿いのカフェへ出かけたりと、ゆったりとした時間を過ごしています。

「東京にいた頃は、子どもの教育や住環境など、周囲の情報に振り回されたり、お金が絡む不安を抱えていました。でも新潟では『自分で生活をデザインしている』という実感があります」

お金を払って誰かに任せるのではなく、自分たちで工夫し、選び取って生活をつくる。例えば、子どもと過ごす時間をどう確保するか、休日にどこへ遊びに行くか。仕事も変化し、子どもも成長していく中で、その時々に合わせて柔軟に形を変えていく。新潟という土地には、その選択肢と余白があると木村さんは感じています。

取材の終わりに、木村さんから、これから新潟で働く方、子育てをする方にメッセージ。

「新潟には、働き方の形や家族との過ごし方を、無理のない形で、自分たちのリズムで選び取っていける環境があると思います。そこが新潟の魅力です。無理なく、自分らしく働いていけたらいいですね。一緒に頑張りましょう」
 

経営者として、母として、しなやかに変化を受け入れながら進むその姿は、これから働き方を見直したいと考える多くの人にとって、一つの希望の道しるべとなるはずです。自分の手で暮らしを選び取る喜びが、ここ新潟にはあふれています。