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【ファミリーインタビューvol.9】育休中の学びが拓いた新事業 親子に寄り添う教室長へ
内容
新潟市にUターンし、教育業界でキャリアを積み重ねてきた青木里佳さん。第一子の育児休業中に将来を見据えて10個もの資格を取得し、その熱意と経験を買われ、復職と同時に新規事業の教室長に抜擢されました。個人の挑戦と、それを支え見守った会社の組織風土。仕事と子育ての理想的な両立を実現しつつある彼女の、軌跡を伺いました。
プロフィール:青木 里佳(あおき さとか)さん
新潟市出身。沖縄県の大学へ進学後、地元新潟への貢献と教育・ビジネスへの関心からUターンを決意し、2016年に株式会社NSGアカデミーに入社。小中学生向けの学習塾で指導や校舎運営に携わり、最も多くの中学生が通塾する基幹校であるNSG教育研究会駅前本部校・中学部にて副責任者も経験する。2022年に産休・育休を取得し、2024年4月に復職。現在は小学校受験指導を行う新規ブランド「NSG教育研究会 幼児教育CLAP」青山教室の教室長を務める。
教育×ビジネスで地元に貢献 Uターン就職への思い
「教育とビジネス、その両輪に関わりながら地元・新潟を盛り上げたい」
そんな思いを胸に、青木さんのキャリアは始まりました。 沖縄県の大学を卒業後、一度は県外での就職活動も経験しましたが、最終的に選んだのは生まれ育った新潟でした。学生時代の飲食店でのアルバイト経験から「店舗運営」や「チームで目標を達成すること」の面白さに目覚めていた青木さんは、公教育ではなく、民間教育というフィールドを選択します。

「NSGグループは新潟で非常に存在感が大きく、ここでなら教育を通じて地元を活性化できると感じました。出会う社員の方々が皆魅力的で、一緒に働きたいと強く思ったのを覚えています」
2016年に入社後、持ち前の行動力で実績を重ねた青木さんは、入社数年で大規模校舎である駅前本部校・中学部副責任者に就任します。多くの生徒が通う校舎の運営は責任重大でしたが、チームで数値を追いかけ、事業を動かしていくプロセスに、大きなやりがいを感じていました。
育休中の学びは「未来」への投資
仕事に大きな充実感を感じる一方で、青木さんの心にはある葛藤が生まれていました。「いつかは子どもが欲しい」というライフプランと、責任あるポジションを任されている現状とのバランスです。

「仕事は楽しいし、積み上げてきたキャリアも諦めたくない。でも、出産や育児で現場を離れることへの不安もありました。特に副責任者という立場になってからは、その思いが強くなりました」
そんな揺れる思いを抱えつつも、会社や同僚の理解もあり、2022年の冬から産休・育休を取得。青木さんはこの期間を単なる「キャリアの中断」ではなく「新たなスキルの獲得期間」と捉え直しました。
「ただ育児をするだけでなく、今の自分にできる学びを深めたいと考えました。ここで学ぶことは、自身の育児に役立つことはもちろん、復帰後のキャリア形成にも必ずつながるという確信がありました」
子どもが寝ている隙間時間を使い、オンライン講座などで学習。取得した資格は「母子手帳トレーナー」に関連する「知育トレーニング」「五感トレーニング」「言語発達トレーニング」など、合計10個にも及びます。 また、資格取得だけでなく、育休中の社員が集まる社内イベントにも参加。先輩ママから復職後の働き方を聞いたり、会社との接点を持ち続けたりすることで、孤独感を感じることなく復帰への準備を進めることができました。
「申請書の山」に見た熱意 組織が見守った挑戦
青木さんのこの行動力を、会社側はどう見ていたのでしょうか。 同席したNSG教育ネットワーク人事部部長の五十嵐達哉さんは、当時の様子を振り返ります。

「当社では産休・育休に入る前や復帰が近づいたタイミングで、今後の見通しを確認する面談を行っています。青木さんの場合、休みに入ってから会社に届く『資格取得費用の補助申請』の数がすごくて。ずらっと届いた申請書を見て『これどうしようか』と驚いたのを覚えています」
個人の意欲を尊重し、制度としてバックアップする体制があったからこそ、青木さんは安心して学びに没頭できたのでしょう。五十嵐さんは、こうした青木さんの姿勢に、組織としての期待も寄せています。
「彼女のように、ライフステージが変わっても意欲的にキャリアを築いていく姿は、後に続く女性社員たちの一つの道標になると考えています。会社としても、制度を整えるだけでなく、本人の『こうしたい』という思いが実現できるように、寄り添って考えていきたいと思います」
復職と同時に新ブランドの責任者へ
2024年の春、復職のタイミングで会社から打診されたのは、小学校受験対策を行う新規事業ブランド「NSG教育研究会 幼児教育CLAP」の立ち上げと、その青山教室の教室長というポジションでした。

「まさに、私が育休中に学んできた幼児教育の知識と、これまで培ってきた教室運営の経験、その両方が活かせる場所でした。会社が私の取り組みを見ていてくれたこと、そして新しい挑戦の場を用意してくれたことが本当に嬉しかったです」と青木さんは話します。
立ち上げから間もない教室ですが、青木さんの視線はすでに先を見据えています。「まずはこの青山教室を軌道に乗せることが目標です。そして将来的には、幼児教育事業を拡大し、事業全体をマネジメントする責任者へと成長していきたいと考えています」
夫との「チーム育児」で叶える 無理のないワークライフバランス
現在、青木さんは時短勤務制度を活用しながら、教室長としての業務をこなしています。多忙な日々を支えているのは、家族の協力体制です。

「夫には本当に感謝しています。お互いに得意なことを分担して、チームで育児をしている感覚ですね。また、新潟は両親や親戚が近くにいるので、いざという時に頼れる安心感があります」
休日には、家族で「きらら西公園」や「上堰潟公園」、「鳥屋野交通公園」などへ出かけるのが楽しみ。広々とした遊び場が身近にあるのも、新潟での子育ての魅力だと語ります。
自分らしく働き続けるために
一度はキャリアとライフイベントの狭間で考えたこともあった青木さんですが、今はその両方を手に入れ、さらに新しいステージへと進んでいます。最後に、これからライフイベントを迎える世代や、キャリアに悩む方々へメッセージをいただきました。

「やりたいことがあるなら、諦めないでほしいです。出産や育児でキャリアが一時中断するように見えるかもしれませんが、そこでの経験や学びは、必ず次のステップに繋がります。私自身、育休中の学びが今の仕事に直結しました。周りを頼りながら、自分らしい働き方を見つけていってほしいと思います」
母となり、強さを増した青木さんの挑戦。そしてそれを温かく支える組織の存在。その両輪が噛み合った先に、これからの新潟で働く女性たちの希望の光が見えるようです。



